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宇土超からオサイ峠を経て国見山まで

宇土超からオサイ峠を経て国見山まで


 
No.2

上宇土〜オサイ峠〜栗ノ木峠〜国見山


取材日:2009.4.22

そろそろ山歩きをはじめてみたい!そんな方におすすめのコース。
ゆるやかな山道なので森の空気を楽しみながら気持ち良くエクササイズ。


照葉樹の自然林と杉の人工林の間を縫うように
県境の散策道が続く

0713

俳句に「山笑ふ」という季語がある。春の森が芽吹き、草萌え、生気溢れるさまをいう。まさにそんな一日、「ふるさと自然の会」の大島通寛さんの自然ガイドで、初めて山を歩くという一般参加者といっしょに宇土越から歩いた。

オサイ峠の案内看板を見て、大神宮の鳥居の前を回り込んで焼山池に至る。そこに登山口がある。すぐに歩き易い散策道となり、ほぼ佐賀県と長崎県の境の道として続いている。照葉樹の自然林と人工林の違いが、道の左右でくっきりと分かれている。途中に点々と等間隔で『山』と記した石標がある。やがて開けた場所に出ると、伊万里の町と遥かに連なる国見山系が望める。

 

ホオジロ、ウグイス、ヤマガラなど小鳥の囀りが雨あがりの林に流れる。タチツボスミレ、ムラサキケマンなど小さな花を見ながら緩やかな傾斜の道を歩くと、やがて『オサイ観音』がある峠に出た。建物を石積みで囲って見事だ。ここで一休みして聞いたのは、有田唐船城の謀反を山本右京が身重の妻と冬の峠を越えて相浦飯盛城に報せたという戦国時代のお話。赤子を産み落として亡くなった妻、お小夜を祀ったのが『オサイ観音』だという。

ここは環境省が定めた『九州自然歩道』のルートで、実に歩き易い樹林帯の中の道である。マテバシイなど、シイ、カシ類が多く、樹令百年ほどの林が続いている。やがて八天岳に着くが、無線塔があるだけで、どこが山頂か判らない。この一帯、第二次世界大戦時に高射砲の砲台が設置されたところ。その残骸がいまも所々でみられる。ここからコンクリート舗装となって味気ない。だらだらと下って、栗ノ木峠へと続いて行く。

栗ノ木峠には水が湧いていて、いまもこの自然水を求める人がよく来る。かつて伊万里と佐世保を結ぶ唯一の道が通っていたとき、この峠には茶店があった。そしてここから急に傾斜が増して、山らしい道となって行く。比較的高い山しか育たないアカガシの森が続き、落葉を踏みしめて歩くと実に気持ちいい。樹令二百五十から三百年はあろうという大きなアカガシがあった。三人で手をつなぐほどの幹周りだ。

国見山のすぐ下で車が通れる道と合流する。ここから一気に『残念坂』と呼ばれる急勾配を登ることになる。汗を流しながら這うように登ると、そこに展望台が。いままで歩いて来た山々が一望に眺められ、涼風を顔に受けて清々しい気分になった。山が笑い、ぼくらも笑っていた。

 


write:有限会社ライフ企画社・小川照郷

START: 里見トンネルの手前から登った焼山池の近くに登山口がある。 A(スタート):里見トンネルの手前から登った焼山池の近くに登山口がある。
A B:ほぼ佐賀県との県境沿いに散策道が続いている。有田側の杉林が伐採され、西有田や伊万里の町がよく望める。
B:林の中の緩やかな散策道で、道沿いに旧陸軍による石標が点々とある。 C:林の中の緩やかな散策道で、道沿いに「山」と刻まれた石標点々とある。
0736 D:安産の神様として信仰されるオサイ峠にある「オサイ観音」。戦国時代の山本右京と妻お小夜の伝説は、峠に祀る賽神と重なったものだろう。
3297 E:栗ノ木峠には昔から湧水があった。伊万里と佐世保を結ぶ道で、昔は茶店もあったという。いまも水飲み場には湧水をくみに来る人が多い。
3297 F:栗ノ木峠から国見岳への急な登りが始まる。
0033 G:栗ノ木峠から先はアカガシの林が続く。褐色の枯葉が一面にあって、足音が気持いい。
0038 H:人の手が入らない昔、このあたりはアカガシの森だったと思われる。三人が腕を回すほど幹周りの巨樹があった。
0024 I(ゴール):国見山の標高は777m。展望台からは今日歩いてきた山々が望める。杉の人工林と照葉樹林がくっきりと判る。

歩行時間:約3時間
距離:約6キロ

累積標高(+) 463m
累積標高(-) - 194m

備考:標高差270mほどの歩きやすい山道だが、自然観察を楽しもうとすれば5時間はかかるだろう。

ガイドおよび情報提供:佐世保楽山会

 

 

文:ライフ企画社・小川照郷

掲載:「99View」5月号 見開き2ページ



より大きな地図で コース2 宇土越〜オサイ峠〜栗ノ木峠〜国見 を表示

キンラン

木漏れ日に照らされ咲く様は「金 蘭」の名に負う。

ギンリョウソウ

葉緑素を持たず落葉から栄養をとる腐生 植物。別名「幽霊草」。

ツクシカンアオイ

ハート型の葉の陰に、目立たない花をつける。

コガクウツギ

ユキノシタ科の落葉低木で、実はアジサイの仲間。

九州自然歩道

自然歩道とは環境省が計画して、各都道府県が全国に整備をしている長距離自然歩道のこと。 1970年の東海自然歩道の整備に始まって、九州も含めて8つの自然歩道が整備されている。北海道まですべてが完成すれば、総延長約 26000kmとなる。 そのうち九州自然歩道は1980年に全線2920kmが完成した。長崎県は島原の口之津から栗ノ木峠まで212kmが続いている。

アカガシ

常緑高木。標高300mを越える佐世保市周辺の山々では、潜在植生としてアカガシの林が見られる。 材は硬く、樹肌が赤みを帯びていることが名の由来となっている。 緑濃い葉は春に緑のまま落ちて、やがて褐色のじゅうたんになる。国見山への登山道では巨樹を見ることが出来る。

アサギマダラ

が飛んでいたのでパチリ。アジアに広く分布し、成虫は南西 諸島・台湾と日本本 土との間を旅することで知られる。この蝶も海を越えてきたのかな。

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