
早岐(はいき)瀬戸〜平松町〜隠居岳(かくいだけ)
取材日:2010.4.23
豊かな自然&里で暮らす人々の息づかいを感じる、九州自然歩道
「隠居岳(かくいだけ)」
今回は、やわらかい若葉芽吹く緑と、さわやかなアロマに包まれた森の中を歩いてきました。
佐世保市民にとっては「あそこの山ね♪」と指で指せるような位置にあるとても身近な山。
今回は、ハウステンボスの隣町(JRハウステンボス駅からわずか1駅)でもあり、古くからの宿場町、「早岐(はいき)」が出発点という山登りにしてはめずらしい街中からのアクセスの良さも魅力のひとつ。
トレッキングに興味はあるのだけど、いきなり本格的な山に行く前にどこかで慣らしてから・・・、なんて言う方にはピッタリのコースです。
距離は片道10キロ程とそれなりにありますが、アップダウンも少なく、ルートのほとんどが舗装された道なので、軽めのトレッキングシューズでも歩けてしまう手軽さも、おすすめの理由。
往復20キロはちょっとキツいな〜という方は、山頂近くの隠居岳ウォーカーズパークまで車で登り、山頂までの片道30分〜40分ほどの軽い山道を歩くだけでも十分に楽しむことができます。
朝目覚めて、今日は天気がいいからちょっと山歩きでもしてみようかな〜という気ままな大人の遠足にもおすすめ。
これぞ贅沢な佐世保の休日の過ごし方。
春から秋ごろまでは、アスファルトの照り返しにバテないように、水分補給や帽子などの装備や日焼け対策はしっかりしておきましょう(特に麓から歩く場合)。
九州自然歩道をたどって
佐世保市内を『九州自然歩道』が通っていることをご存じだろうか。九州自然歩道は環境庁(現・環境省)が、昭和55年に長距離自然歩道構想にもとずいて整備した自然歩道だ。今回は早岐の観潮橋から、隠居岳山頂まで約8キロを歩いた。
田子の浦の交差点から北上する道を歩き、早岐中学校の脇を通って陣の内町の裏道を進む。住宅地を抜けるとすぐに散策道があるのが面白い。やがて道は『西九州自動車道』の高架を潜るのだが、ここからは今の車道ではなく昔からの細い道を歩くことにする。斜面をまわり込んで続く道の向かう先には、平松の台地を手前に、「山笑う」と俳句の季語が表現するようなむくむくした山が望める。隠居岳は平家の落人が隠れたという話もあるようで、それを思わせる山里の風景だ。
道を逸れて『尾山神社』に立ち寄った。懐かしい鎮守の森だ。盆地状の一帯は土が黒々として、山の豊かさが養分のある土を作るのだと実感する。
平松町からは右手に車の道を進む。途中で歩道と車道が分れるが、枯葉が敷かれた歩道を進むと、やがて『隠居岳ウォーカーズパーク』に出た。駐車場やトイレがあって、ウォーキングのポイントになっている。ここまで車で来ることも出来る。
かつては茶畑だった道を登って行く。途中でパークの上にある展望台からの風景を楽しんだ。遥かに佐世保湾と市街地が望めた。
杉林から自然林となって、やがてまわりがヤマツツジの群落になる。ウォーカーズパークから15分ほどで『ツツジ園』だ。このときはミツバツツジが満開だった。五月下旬から六月初旬までヤマツツジが赤く彩る。さらに、なだらかな稜線をたどって電波反射板の横を登って隠居岳山頂(670m)に着いた。晴れたときの眺望は素晴らしい。
ここで烏帽子岳から大山口越を経た道と合流するのだが、九州自然歩道はさらに宇土越を経て国見山へと続いている

距離 およそ9.2km
標高差 641m
始点標高 85m
累積標高(+) 777m
累積標高(+) -136m
※GPSを使ったデータではなく、地図上にプロットしたデータから算出したデータです。
早岐〜隠居岳ウォーカーズパーク(2時間30分程度)〜隠居岳山頂まで(40分程度)
より大きな地図で コース9 早岐〜隠居岳 を表示
何故かは分からないが、春には黄色と紫色の花が多い。これから初夏に向けて、ウツギに代表される白い花が咲き始める。
隠居岳にヤマツツジの群生
隠居岳のツツジ園一帯には、ヤマツツジ約4万本が自生する。 樹高1~4mの半落葉低木で、5月下旬から6月初旬にかけ、真っ赤な花を咲かせて訪れる人を楽しませる。 ウォーカーズパークから15分ほど。 公園と言っても山道を歩くのでウォーキングシューズなど足元の用意を。
隠居岳ウォーカーズパーク
<設備情報>
駐車場 / トイレ / 炊事場 / あずまや / ピクニックテーブル
ウォーカーズパークに車を停めて、山頂まで30〜40分のミニハイキングを楽しむことも可能。 ウィークエンドのバーベキュースポットにもおすすめですがゴミは持ち帰りましょうね。(ゴミ箱はありません)